にわか雪

猫2匹と暮らす

無敵

先週の木曜日、私はまた逃亡した。

今回は逃亡というより放棄したのかもしれない。

仕事へ行ってミーティング途中に言われた一言で労働意欲がプツンと切れてしまった、それは本当に些細な事で、いつもなら全く気にせず受け流して忘れてしまうだろうに。

簡単な話私はある人から馬鹿にされたのだ。

いつも私は歳に関係なく周りには敬語で話し、名前は名字にさん付けで呼ぶ。何かを頼みたい時は命令口調ではなく助けをお願いしている。すぐ謝ってしまうので感謝の言葉も意識的に言う。自己主張はできるだけしない、周りの意見にいつも乗っかっている。その方が楽だから。

こんな人間をみくびることは簡単、馬鹿にするのも簡単、私は甘くみられていた。いつも何も考えていなそうでへらへらとしているから、何を言われても平気な人だと思われていた。

その人に馬鹿にされるならもう終わりだなと思ってミーティング終わりに何も言わず黙ってナチュラルにさらっと勝手に帰宅した。

無敵になってしまっていた。人に迷惑をかけても罪悪感を感じない、もう全てがどうでもよく、どうにでもなってしまえと無敵になっていた。仕事を辞めると社長に連絡した。

営業開始時間になってもどこにもいない私にいろんな人から連絡が来た。言うところの飛ぶをしたので、いろんな人に心配された。予想外だった、そんなに気にかけられるとは思わなかった。

自分に存在意義とか価値とかないと思っていたけど、気にかけてもらったり、味方だと言われたり、仕事辞めるなよと止められたり、私も人の輪の中に存在できてるんだと少し思った。

そういえば私はいつも周りから一線置いていたかもしれない。輪の中にいながら不参加を表明してるかのような。

その一線を置かなかったり超えていくことを自信というのかもしれない。自信を持っていないことは知っていたけど、自信が何なのかは知らなかった。

仕事場で有効となる人間は仕事の能力値が高い者か人間的キャラで有効となる者かの2択だと思っているけど、いろんな人から言われたことを考えると私は人間的キャラで少しは有効になっていたかもしれない。社会の中に私も混ざっていたことに気付いた。自信は持てないからちゃんとは自覚できていないけど、いろいろ繋ぎ合わせると少しはそう思える。

社長からは辞めるのは自由だけど一回話そうと言われていて、今日話す予定ではある。本当に辞めるか今の所に戻るか異動するかはわからない。社長が何を言い始めるかに任せようと思う。私がどうしたいのか私はわからない。今の人間関係の中にいるのは楽しくて恵まれているということは知っているつもり。社会不適合者が集まる夜の世界が私には居心地が良い。

とてもお世話になっている女上司に自殺したんじゃないかと思われめっちゃ泣いて怒られたのは少し申し訳ないと思った。

自分を持たないようにしていたから自分のことがわからなくなってしまったけど、私は案外幸せ者なのかもしれない。私のことを誰か教えてくれ。

 

海老と洋梨からにわか雪へ